痔核 <外科 診療内容>
痔核とは
痔核とは、一般的に「いぼ痔」と呼ばれており、肛門周囲にある血管(静脈)が怒張した状態です。肛門の外側に生じる痔核は外痔核と称し、外痔核は肛門の外側にあるため、常にふくらみやしこりと触れ、痛みを感じる部位に存在するため、慢性疼痛の原因となることもあります。内側にできる痔核は内痔核と呼び、内痔核の場合、大きさが大きい場合は常に脱出している事もありますが、肛門内にあるため、排便時の脱出や出血(新鮮血)が症状の中心となります(図32)。
治療方針
痔核の治療は、外痔核の場合、症状が軽い場合は軟膏の塗布で改善する事がありますが、症状を繰り返す場合などは切除となります。
内痔核に対する治療法は結紮切除術と四段階硬化療法(ALTA硬化療法)があります。結紮切除術は血管の集まりを根こそぎ結紮・切除する方法(図33)で、再発率は低い反面、術後出血などの合併症の心配もあり、入院期間が長くなることがあります。
一方、四段階硬化療法(ALTA硬化療法)は、内痔核を切除することなく、硬化剤(硫酸アルミニウム水和物とタンニン酸)を注射する事で、痔に流れ込む血液の量を減らし、痔を固くして粘膜に癒着・固定させる治療法です(図34)。結紮切除時に見られる「傷口から出血する」「傷口が痛む」というような症状もほとんどなく、入院期間も短縮できる治療法ですが、講習を受けた限られた施設しかできません。お問い合せ下さい。
術後経過
結紮切除術では排便による術後出血がない事を確認してから退院となるので、術後数日の入院が必要になります。一方、四段階硬化療法(ALTA硬化療法)の場合、合併症は少なく入院期間は短くなります。