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トピックス -コロナワクチン評価プロジェクト(2021年スタート)-
がん患者さまの新型コロナワクチン効果は、健康集団に比べると劣ることが知られていますが、骨髄系血液がん(急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群)の患者さまの効果についての報告はまだありません。 そこで私たちは、当院で治療を受けられている血液疾患の患者さまにご協力いただき、新型コロナワクチンの効果を検証しています。 また血液疾患を有さない群として、当院職員を一般集団としての抗体価も検討しています。 このたび第1報の研究結果がまとまりました。
2022年6月15日 当院血液病センターでの「コロナワクチン評価プロジェクト」が、Yahoo!基金助成プログラム 第11回 新型コロナウイルス感染症『医療崩壊』防止活動支援プログラムに採択されました。Yahoo!基金事務局の方々および募金に協力いただいた方々に御礼申し上げます。貴重な助成金は本プロジェクトの実施に使用させて頂きます。 当院では引き続き「コロナワクチン評価プロジェクト」を継続し、ウィズ・コロナの状況で血液疾患を有する患者さんが安心して暮らせる社会の実現に貢献して参ります。
ごあいさつ
愛育病院血液病センター長の近藤 健です。私は1966年に広島に生まれ、大学進学を機に北海道の大地を踏みました。医師となってから大阪、東京、米国での研究生活も過ごしましたが、大半は大学での診療、研究、教育に従事して参りました。伝統ある愛育病院の血液病センター長として、地域に根ざした診療を心がけつつ、先端の医療をご提供して参りたいと存じます。現在精力的に行なっている臨床研究の事も含めて、当ホームページ内で適宜更新して皆様に情報をお届けしたいと存じます。2019年秋には無菌フロアが設置され、無菌治療室が14床から35床に大幅に増床となりセンターとしての治療体制がさらに整備されます。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
血液内科・血液病センター 診療のご紹介
血液疾患は内科領域の中でも比較的頻度の少ない疾患が多いために、総合病院でも血液内科の診療科を持たないことも多い領域です。このような事情もあり当院では全道より患者さまが受診されます。
当科では、特発性血小板減少性紫斑病や血友病のような良性疾患から白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫のような悪性疾患まで血液疾患全般を診療しています。
血球減少症および増多症
貧血をはじめとした血球減少症は良く経験されますが、鉄欠乏性貧血以外の貧血や多系統にわたる血球減少症では再生不良性貧血、骨髄異形成症候群などの血液疾患が存在していることがあります。逆に血球が持続的に増加している場合、慢性白血病や真性多血症が存在する場合もあります。これらの病態は早期に診断することで、疾患による合併症や病状進行を生じる前に適切な治療が開始出来ます。
血小板・凝固異常症、血栓症
出血傾向がある場合には、血小板減少症や凝固異常症が存在する場合があります。先天性血友病は小児期に診断される事が多いですが、成人になって発症する後天性血友病は、あまり認知されておらず専門施設での精査が必要です。また若年にもかかわらず繰り返す血栓症の場合には、凝固阻止因子欠乏症の有無の確認が必要です。
血液がんの化学療法
造血器悪性疾患(血液がん)の頻度は多くありませんが、適切に治療する事で治癒や長期生存が期待出来ることが特長です。近年では抗体医薬やキナーゼ阻害剤といった分子標的治療薬が導入されており、高度の専門性が要求されます。当院は全道でも有数の血液疾患ベッド数を有しており、血液がんに対する化学療法の経験が豊富な血液内科専門医が診療を担当します。
【情報公開】現在おこなっている臨床研究
現在、当センターでは以下の臨床研究をおこなっています。
- 急性白血病における遺伝子変異と治療反応性・白血病発症機序の解明
- 血液疾患を有する患者における COVID-19 ワクチンの意義
- 新世代治療導入後の未治療 NK/T 細胞リンパ腫における治療実態とその推移および予後 に関する国内多機関共同調査研究(NKEA-Next project)
- 日本人骨髄増殖性腫瘍患者における二次がんとしてのリンパ系腫瘍の発症に関する 全国調査
- アグレッシブNK 細胞白血病に関する多機関共同後方視的研究
- トロンボポエチン受容体作動薬時代における特発性血小板減少性紫斑病に関かんする多施設後方視的観察研究
- 血管内大細胞型リンパ腫の補助診断として有用な臨床所見の検証
- 日本における血液疾患患者を対象とするCOVID-19罹患状況、予後に関する横断研究
- 成熟T/NK 細胞性腫瘍各病型における分子病態と治療反応性の基礎的検討 -NJHSG-PTCL21-
- 悪性リンパ腫細胞におけるSLAMFの基礎的検討(NJHSG-ML20-SLAMF)
- 挙児希望のある慢性骨髄性白血病患者の治療実態調査
- 悪性リンパ腫における各病型の頻度と治療成績の検討
- マントル細胞リンパ腫に対するSAMHD1 遺伝子を含む予後因子の探索と予後予測モデル構築を目的とした調査研究
- 低悪性度B細胞性リンパ腫に対するベンダムスチンの治療効果予測の検討
- 血管内大細胞型B細胞性リンパ腫の臨床所見および治療結果の検討
- AML with inv(16)における地固め療法後のCBFβ/MYH11の測定意義とWT1測定による再発リスク管理
- 日本における真性多血症および本態性血小板血症患者の臨床像、生命予後およびイベントリスクに関する多施設後方視的研究
- 全身性の初回治療またはベストサポーティブケアを受けた,強化治療に非適応の急性骨髄性白血病患者を対象とした実臨床下における治療パターンおよび治療結果
- 北海道における未治療多発性骨髄腫(Newly diagnosed multiple myeloma,NDMM)症例の実態調査に関する研究
- <疫学調査>北海道の血液疾患発生状況の把握 -NJHSG registration protocol-
- イノツズマブオゾガマイシン治療を施行された急性リンパ性白血病における体外式超音波検査を用いたSOS/VOD早期診断の有用性の検討
- B細胞性リンパ腫の臨床的検討ならびに病理学的検討-後方視的、非介入・観察試験-
- 悪性リンパ腫細胞における増殖生存関連分子の基礎的検討(NJHSG ML18)
- びまん性大細胞B型リンパ腫の後方視的解析
- 末梢性T細胞リンパ腫関連機能的遺伝子および変異遺伝子の治療反応性及び予後に与える影響(NJHSG PTCL 17)北海道における急性リンパ性白血病の後方視的解析
血液病センター長のご紹介
近藤 健 (こんどう たけし) |
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役職 | ![]() |
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血液病センター長 | |
専門 | |
内科一般 血液疾患 | |
出身大学 | |
北海道大学医学部(平成3年卒) | |
主な勤務施設 | |
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学会認定 | |
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その他 | |
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