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胃粘膜下腫瘍 <外科 診療内容>

胃粘膜下腫瘍とは

胃粘膜下腫瘍とは、胃の粘膜層よりも深い層の胃壁内から発生した病気です。胃の粘膜面は正常ですので、胃カメラで見た場合、表面は平滑なことが多く、内腔に突出したように見える事がほとんどです(図11)。大きさが大きくなると、くぼみや潰瘍が生じる場合もあり、出血から下血(黒色便)を来たす場合もあります(図12)。

fig11.胃粘膜下腫瘍(図11) 拡大して見る
fig12.胃粘膜下腫瘍(図12) 拡大して見る


胃GIST

GISTは消化管間質腫瘍を示す英語Gastrointestinal Stromal Tumorの略称で、消化管の壁にできる粘膜下腫瘍です。胃の粘膜下腫瘍の中では一番頻度が高く、診断がついた場合は外科的切除の対象となります。他の粘膜下腫瘍には、平滑筋腫,神経鞘腫,脂肪腫などがあり、良性の場合は経過観察を行います。GISTと他の粘膜下腫瘍との鑑別は、主に生検(針を刺して組織を調べる検査)で行います。

治療方針

生検検査でGISTの診断が付いた場合は外科的切除となりますが、サイズが小さい場合は生検検査を行っても確定診断をつけることが難しく、さらに悪性の可能性も低いため、経過観察となる場合がほとんどです。ガイドラインでは2cm未満の場合は経過観察し、「サイズが増大してくる」「悪性を疑う所見(潰瘍,辺縁不整など)がある」「5cm以上」などの要素が見られた場合は、手術を考慮するなどの細かい治療方針が提言されております。当院も、ガイドラインに従い、胃粘膜下腫瘍の治療を行っております(図13)。

fig13.胃粘膜下腫瘍の治療方針(図13) 拡大して見る

図13 出典:がん診療ガイドラインGIST(http://www.jsco-cpg.jp/item/03/algo.html)


切除術式

胃がんの場合は周囲リンパ節への転移の可能性を考え、周囲のリンパ節を含む半分以上の胃を切除しなければなりませんが、胃GISTの場合、リンパ節転移の可能性は極めて低いため、病変を含む胃を切除する(局所切除)だけで治療が完了します。そのため、腹腔鏡手術の良い適応となります。


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