胃潰瘍/十二指腸潰瘍穿孔 <外科 診療内容>
胃潰瘍/十二指腸潰瘍とは
胃/十二指腸潰瘍は消化性潰瘍とも呼ばれ、様々な原因で発症し、最近ではピロリ菌の関与が証明され、ピロリ菌に対する除菌療法も保険適応されるようになりました。胃/十二指腸潰瘍は、腹痛で発見される事がほとんどですが、出血を来たす場合は、下血(黒色便)で発見されることもあります。
以前は、胃/十二指腸潰瘍の治療として胃切除を行っていた時代もありますが、近年では、抗潰瘍薬の開発が進み、強力な酸分泌抑制効果を持つ薬の登場で、保存的治療(非手術療法)で治る疾患となっております。しかし、潰瘍の存在に気づかずに進行した場合、胃/十二指腸壁に穴が開き(穿孔)、消化酵素を含んだ液体がお腹全体に広がることで、腹膜炎(お腹全体に炎症が広がる状態)を来たすことがあります(図14)。
潰瘍穿孔の治療
胃/十二指腸潰瘍が穿孔した場合、炎症の広がりが限局的で、症状が軽い場合は、絶食で症状が改善する場合もありますが、多くの場合、お腹全体に炎症が波及している事が多く、緊急手術が必要となります。 手術は、お腹全体を洗浄し穴を塞ぐ手術になります。以前は開腹手術で行っていましたが、近年の腹腔鏡手術手技の進歩により、腹腔鏡で行う事が可能となりました。炎症がひどく腸管の拡張などで視野の妨げになる場合は開腹手術になる場合もありますが、当院でも、術後の回復の早さなどを考えて可能な限り腹腔鏡手術で行っております。